映画【オンリー・ザ・ブレイブ】のあらすじ(ネタバレあり)、感想を紹介
2017年のアメリカ映画「オンリー・ザ・ブレイブ」
がU-NEXTで配信されていましたので視聴してみました。ネタバレを含むあらすじと感想をご紹介してみたいと思います。
乾燥していて山火事の多い、米国での山火事専門消防隊の話です。
2013年に実際にあった出来事を基にして作られています。昨年もカリフォルニアでの山火事が広がり大きな災害となり、日本のメディアでもかなり取り上げられていました。
日本にいては解りにくい乾燥地帯での山火事とその消火について、隊長と数人の部下に焦点を当てて描いていて、人間ドラマと山火事の消火という映画になっています。
出演は「ノーカントリー」「ボーダーライン」のジョシュ・ブローリン、マイルズ・テラー、ジェニファー・コネリー等、監督はジョセフ・コシンスキーです。
映画【オンリー・ザ・ブレイブ】のあらすじ(ネタバレあり)
アリゾナの自治体の山火事専門消防隊を率いる隊長のエリック(ジョシュ・ブローリン)は、山火事を消しに行っても自分の消防隊が「ホットショット」という認定を受けていないために、後方にまわされたりしたことから、認定を受けるためにトレーニングを強化していきます。
ジョセフ・コシンスキー監督は前作「オブリビオン」(トム・クルーズ主演)では、綺麗で冷たい感じの風景が多かったですが、今回はひたすら暑く乾燥した風景を描き、その中の隊員たちも熱く撮っています。
日本で市街地に住んでいると、山火事というものを実際に見たこともなく、ましてや広大で乾燥した地域での、米国での山火事がどのようなものか想像も出来ませんが、ジョセフ・コシンスキー監督は3Dに詳しい映像クリエーターである経験を活かして、どのような所でどのように広がるかも解りやすく描写しています。
山火事の消火というものが、映画「オールウェイズ」(リチャード・ドレイファス主演‘89年)で描かれていたような、飛行機から消火剤を撒く以外に地上でどう対応しているかについて描かれています。
方法としては、消防隊が燃え広がる先の木々を切り倒し、さらに地面を掘り返すことで、燃えるものが無い場所を帯状に作ることで燃え広がらないようにしたり、地形と風向きから周囲に延焼しない場所を計算し、そこの草木を燃やすことで燃えるものがない状態にして、もとの山火事の燃料となるものを無くしたりします。
山の中ですから多くの場所は隊員たちが徒歩で行き、チェーンソーや斧、シャベルでそのような作業を行います。ひたすら体力仕事です。
乾燥地帯では松の木などの油を多く含んだ種類の木は、風にあおられて飛んで来た火の粉などでも簡単に火が燃え移り、すぐに山火事が延焼するので、消火するのも大変なようです。
一方、街で暮らすブレンダン(マイルズ・テラー)は麻薬に溺れ、自堕落な暮らしをしていましたが、恋人が妊娠したことから麻薬をやめて消防隊に入ることを決意します。
しかし、元からいた隊員たちは、元麻薬中毒のひ弱な奴が入ってきた、となかなか受け入れずに、弱音を吐いて辞めるようにからかったりします。
そして、日ごろの訓練とエリックの経験による成果から、「ホットショット」の認定を受け、山火事の第一線に投入され、任務を成し遂げてゆきます。
そしてブレンダンも周囲に認められるようになり、元恋人に子供と合わせてもらえるようになります。
妻のアマンダ(ジェニファー・コネリー)は、馬の保護の仕事をしていますが、仕事ばかりの夫に不満を持つようになりますが、実は両者ともそれぞれ以前は依存症を持っていて、現在は両者ともそれが何とかなっている状態が続いています。
そしてエリックの消防隊は大きな山火事の消火をしていて、火が回らない所を作りに行く途中で予想外の炎に囲まれ、クライマックスへと展開します。
映画【オンリー・ザ・ブレイブ】を観た感想
昨年のカリフォルニアの山火事でも、多くの住宅が地域ごと全て焼けたりした風景が報道されていましたが、すぐに延焼するので乾燥地帯では対応が難しいようです。
そのような乾燥地帯の中にある町には、いかに山火事専門消防隊が必要かも、よく伝わってきました。
広大な乾燥地帯での山火事が迫力を持って映像化されているので、それに挑む消防隊員たちの大変さが伝わってきます。
アメリカ人はとにかく体を動かす事が好きなようで、この映画の中でも消防隊員達が熱く乾燥した山の中でトレーニングをやたらとしています。熱中症という言葉が存在しない世界のようです。
そして新人も音を上げずついていくことで、仲間として扱われるようになります。
厳しいトレーニングをしつつも、けっこう馬鹿ないたずらをしたりと、観ていて楽しいところでした。
そこのあたりはスポコンもののノリなので、登場人物たちの熱量が伝わってきました。
ハイスクールでも運動選手がスターとして扱われるそうなので、社会人でも消防隊員や警官、軍人などが尊敬されるのでしょう。
アメリカの多くの地域では、ヨーロッパから入植した人たちが何でも自分たちでしなければならなかったという伝統の影響でしょう。
アメリカの田舎では体を動かして勤勉に働くことが美徳とされているのに、最近ではそのような職業が減っていることも、様々な不満の原因でしょうか。
伝統的な価値観を持つ人達が、最近の様々なサービス業と合わないというのは、どこの国でも起きていることのようです。
広大な乾燥地域での山火事の消火というものがいかに大変かが、よく伝わってくる映画でした。
映画【オンリー・ザ・ブレイブ】はこんな人におすすめ
集団スポーツが好きな人や、消防士や警察官が知り合いにいたり、将来なりたいと思っている人にはいいと思います。
普通に消防活動をすることも多くの人は関わった事がないでしょうが、米国の広く乾燥した場所での消防活動となると、ほとんどの人には想像もつかないと思います。
昨年は米国やポルトガルの山火事が報道されていましたが、関心がある方にもぜひ観ていただきたいです。
余談ですが、映画「セッション」のドラマー役を演じたマイルズ・テラーの最近の様子が解ります。
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