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映画「13時間 ベンガジの秘密の兵士」(監督:マイケル・ベイ)を観て心に残ったこと

大ヒット映画「トランスフォーマー」の監督、マイケル・ベイが2012年にリビアで起こった実話を元に作った「13時間」と言う映画を見たので紹介します。

映画「13時間 ベンガジの秘密の兵士」作品情報

監督:マイケル・ベイ

原作:マイケル・ザッコフ

出演:ジョン・クラシンスキー、ジェームズ・バッジ・デール、パブロ・シュレイバー、デビッド・デンマン、マックス・マーティーニ

公開:2016年

 

あらすじ

カダフィ政権崩壊後、リビア軍の持っていた武器が様々なところへ売られていくリビアに、在外公館の警護スタッフの2名が追加で到着する。それを待機場所まで車で送るのだが、その時点で、現地の武装勢力に止められて、機関銃を向けられる。

そこの指揮官に「ドローンが上からあなたを見ていて、家族までチェックされているぞ」と脅したりして切り抜ける。

米国に協力している武装勢力と、反米の武装勢力がいて、安全なところは限られていることが示唆される。

武器取引を調べている現地の米国人職員を街中まで警護しても、街には自動小銃など武器を持っている人が多く、こちらを追っているように見える相手がいると、少人数なためにすぐに戻らなくてはならない。

そのような情勢の中でも米大使は現地の人と交流を深めるために現地の様々な集まりに出席している。

そのような中、反米デモに紛れて武装勢力が大使のいる領事館を襲撃する。大使のそばには3名くらいのボディガードしかいないため、近くの施設に控えていたGRS(Global Response Staff)という警護スタッフの一部が救助に向かう。

現地の協力している武装勢力もどこかに引いてしまって見当たらない。

途中で過激派が銃撃する中を突破して領事館に着くが、火災が発生していて通信機器担当職員が死亡していたり、その他は脱出していても大使は中にいるらしく、見つからない。

そのため元の施設に戻るのだが、米国の国務省などに連絡してもヨーロッパから飛行機で軍隊が救援に来るしかないので、すぐには着きそうにもない。

武装勢力が攻撃してくるのだが、警護スタッフは夜間戦闘の装備を持っているので、建物の屋根から射撃して撃退する。

夜間に2回攻撃があり撃退。朝には施設の近くまで不審な車両が来て、中の人が何かを見まわしている。

警護スタッフは「位置を測っているんじゃないか?」と言い合うが、やはり迫撃砲で砲撃してきて、建物の屋根に数発が着弾。数名が死亡したり重傷を負う。

迫撃砲の攻撃がやんだ中、次を警戒していると、装甲車やトラックが車列を組んで来て、警護スタッフは「もうこれまでか」と思うが、どこかへ引き上げていた武装勢力が支援の数名の米軍人を載せて来ていた。

その警備のもと、現地の米国人スタッフと警護スタッフは民間会社の飛行機に乗り、国外へ脱出する。

印象に残ったところ

劇中、様々な現地の人が出てきますが、米国文化が好きだったり、反米だったりと、人それぞれで外見からではどのような相手かは判別できません。

リビア軍の持っていた武器を買いたがる外国人から、現地で普通に暮らす人まで、いろいろといるのだと解ってきます。

警護スタッフは米軍を退役後に就職した人たちですが、危険なので家族は心配していても、他に仕事がなかったり、経済的に上手くいっていなかったりと、他の職業ではなかなか稼ぐことが困難な様子で、退役後は健康であってもそれなりに稼げる職業に就くことが難しいのが印象に残りました。

自動小銃のみを持っての攻撃なら、夜間でも数名で撃退できるというのは、元軍人の技能と、夜間戦闘のための様々な機材が組み合わさってのことでしょう。

イラク戦争以降の、軍隊を含む様々な政府部門の民営化で、在外公館の警護も民間会社が行っていて、金銭的インセンティブで人を集めているらしいですが、そのような雇用のありかたに疑問を感じさせる話でした。

この映画に出てきた人たちはニュースなどで有名になったこともあるのか、それなりの医療を受けられたようですが、そうでない人たちで、重傷を負ったり、PTSDになったりした人たちはどのように医療費などを工面しているのだろうかと思いました。

雇っている企業が利益を出すためには、そんなに手厚い医療保険には入れていなさそうです。利益を減らし、福利厚生を厚くするとなれば、株主が損をするので、役職を解任され易くなるのではないでしょうか。

民営化によって、政府がやるよりも安く請け負います、ということになれば、そのような医療保険などが削られそうです。

日本では、除染作業を外国人にさせていたことがニュースで大きく取り上げられましたが、米国の場合は、自由と民主主義を守るという大義名分があるので、民間会社社員や、外国人に警護などの危険な業務をさせることに抵抗が少ないのでしょうか?

精神科医の岡野憲一郎氏がブログで書いていましたが、岡野氏が留学していた90年代初めの今より豊かだった米国でも、犯罪被害などでPTSDになり、働けなくなり、低所得者向けの医療制度のメディケイドで治療を受けている人は、財布に2ドルくらいしか入っていないことはざらにあったそうです。そのような経済状態では治療を受け続けることが不可能な人は多かっただろうと思われます。

正規軍の退役兵でも、PTSDの治療では、数か月に一度、医師に会い、投薬の処方箋を出してもらうくらいで、有効な治療体制が作れていないようです。


そのため、米軍のネット上の新聞のMilitary timesやMarine Corps Timesにも、Kevlar for the mindという連載記事で退役後のストレスや不適応、PTSD対策が掲載されています。

警護などを行う民間会社も初期は米英のエリート部隊の退役兵が中心でしたが、死亡保障金や給与が高いために、東欧の元軍人や途上国の人を社員にして人件費を削っていったそうなので、とにかく利益追求がメインなのでしょう。


公共的な職業の人の社会保障等をどうするかというのは、これから様々なところで問題になりそうです。

戦闘シーンでは、様々な個人装備、暗視装置、榴弾発射機などが出てきます。重機関銃の射撃や迫撃砲弾の着弾シーンなどはグロかったので、映画館での上映では18歳以上のレーティングが掛かりそうです。それも日本で劇場公開されなかった一因でしょう。

評価

★★★★☆ 4点(5点満点中)

私は娯楽性もあり楽しく観れたので5点満点中の4点をつけましたが、米国の映画批評サイトのRotten Tomatoesでの評価は50/100、IMDbでは7.3/10なので、批評家受けは悪いようです。


こんな人におすすめ

映画の最初の方で、領事館を見て回り「なんて防御しにくい所なんだ。」等話すシーンがあったり、待機所のある施設を防御するのにも色々な場所の中から建物の屋上に陣取ることを決めたり、様々な自動小銃と追加の照準器などが出てくるので、サバゲーが好きな人は気に入ると思います。

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